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2010年10月29日

なおし(漆器)

 あまり知られていないことなのかもしれませんが、漆器は直せます。

 漆が禿げたりしても、割れていても、一部が欠けていても直せます。

 で、私が使っている漆の弁当箱が禿げてきたので直してもらいました。

 塗りなおしてもらったのは大久保隆三さんという塗師(ぬし)さんです。

 何故、直してもらうのに大久保さんを指名したかというと弁当箱を作られた方だったからです。

 で、ただ塗り直してもらうのはちょっと勿体ないので、直している工程の写真を撮らせてもらうことにしました。

 大久保さんの作業場を訪れると直しの途中の漆器が所狭しと並べられていました。 
naosi 10-1002.JPG
 直しの途中です。
 
 こっちは乾くのを待っています。
 naosi 10-1001.JPG

 角を直しています。
 naosi 10-1003.JPG
 黒い部分が直しの部分です。

 これも直しです。
 naosi 10-1004.JPG

 漆器が入っていた箱には昭和15年の晩秋 札幌で皇紀二千六百年を記念して求めたとあります。
 naosi 10-1006.JPG
 こんなにも長く使えるものはあまりありませんね。
 
 それは直しが出来るからです。

 瀬戸物ではこうはいきません。


 さて直しのやり方ですが、まず禿げたところの漆をとって下地に漆を塗ります。
 naosi 10-1007.JPG

 naosi 10-1008.JPG

 そして乾いたら上に元塗ってあった色に合わせて漆を塗ります。
 
 そして乾けば出来上がり!!
 naosi 10-1009.JPG

 買った時のようにきれいな色に仕上がりました。

 何処が禿げていたのか全然わかりません。

 このように塗り直しをすれば買った時のようにきれいに仕上がるので長く使われる理由の一つだと思います。

 いいものは長く大事に使いたいと思うのは今も昔も変わらない自然な成り行きです。

 漆器は瀬戸物とは違い木で出来ているので熱を通しません、断熱効果が抜群です。

 そしてなんといっても漆器が唇に触れた時の感触が何と言って表現すればいいのか分かりませんが、とてもいいんです。

 まるで赤ちゃんとキスをしているような感触です。

 この感触は他では絶対に出来ません。

 漆器は少し高いですが、少しずつため込んでいきたい一品です。
posted by 福井 県人(フクイ ケント) at 01:28| 福井 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 福井の匠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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